岡山市北区の皮膚科・美容皮膚科クリニック ゆみ皮膚科

うっ滞性皮膚炎

(うったいせいひふえん)

うっ滞性皮膚炎とは?

about

うっ滞性皮膚炎とは、足の静脈の血流が滞る(うっ滞する)ことによって引き起こされる慢性的な下肢の皮膚炎です。主にすねやふくらはぎ、足首の周りなど、膝から下の部分によく発症します。初期の段階では、足のむくみや軽度の赤み、カサカサとした皮膚の乾燥から始まりますが、進行すると慢性的な湿疹となり、強いかゆみを伴うようになります。さらに血流の悪化が続くと、皮膚が茶褐色に色素沈着して硬くなったり、少しの刺激で皮膚がめくれてじゅくじゅくとしたただれ(潰瘍)になったりすることもあります。

この疾患は、立ち仕事が多い方や、加齢・妊娠などにより足の静脈の弁が壊れて血液が逆流する「下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)」がある方に多く見られます。中高年以降の方に発症しやすく、基本的に子どもにみられることはほとんどありません。良くなったり悪くなったりを繰り返しながら徐々に進行しやすいという特徴があるため、初期のうちに適切なケアを始めることが大切です。
治療は塗り薬、弾性ストッキング・弾性包帯の使用,静脈瘤に対する外科的治療などです。

こんな方におすすめ

recommend

  • 夕方になると足がひどくむくみ、すねのあたりが赤くなっている
  • 足首やふくらはぎに、カサカサとした湿疹や強いかゆみがある
  • 足の皮膚が茶色っぽく(または黒っぽく)変色してきた
  • 足の血管がボコボコと浮き出ている
  • 足の皮膚が硬くなり、ゴワゴワしている
  • すねや足首をぶつけたり掻いたりした場所が、じゅくじゅくしてなかなか治らない
  • 市販の保湿クリームや湿疹の薬を使っても症状が改善しない

治療に対する思い

philosophy

うっ滞性皮膚炎(うったいせいひふえん)でお悩みの方へ

足がいつもむくんで重苦しいだけでなく、頑固なかゆみや皮膚の変色が加わると、「歩くのが億劫になる」「足を見せるのが恥ずかしい」と、日常生活の中で大きなストレスを感じてしまうものです。また、一度傷がつくと治りにくくなるため、不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。

うっ滞性皮膚炎は下肢の血液循環の滞りが根本にあるため、皮膚だけにアプローチしてもなかなかすっきりと改善しないことがあります。そのため、ゆみ皮膚科では、患者さまの生活背景や立ち仕事の有無などをお伺いしながら、無理なく続けられる治療法をご提案いたします。

単に外用薬(塗り薬)を処方するだけでなく、弾性ストッキングの上手な使い方、足のむくみを和らげる生活上の注意点、ご自宅でのスキンケア方法まで丁寧に分かりやすく説明いたします。「症状をコントロールし、足の不快感を減らして快適に過ごせる状態を保つこと」を目標に、皆さまの毎日の歩みを優しくサポートいたしますので、どうぞお気軽にご相談ください。 

院長 中山 由美

うっ滞性皮膚炎(うったいせいひふえん)の原因

cause

下肢の静脈血流の滞り(うっ滞)

うっ滞性皮膚炎の根本的な原因は、足(下肢)の静脈の血液循環が滞ることです。足の静脈には、血液が逆流しないようにするための「弁」がついていますが、加齢や体質、下肢静脈瘤などによってこの弁が正しく働かなくなると、血液が足に溜まってしまいます。溜まった血液や水分が血管から周囲の組織に染み出すことで、皮膚に慢性的な炎症(湿疹)が引き起こされます。

年齢や体質による影響

この疾患は、主に40代以降の中高年や高齢の方に多くみられます。年齢とともに血管や静脈の弁がしなやかさを失うこと、ふくらはぎの筋力が低下して血液を押し上げるポンプ機能が弱まることが、内的要因として深く関係しています。また、妊娠・出産をきっかけに足の静脈に負担がかかり、発症の引き金になることもあります。

生活環境や外部からの刺激

長時間の立ち仕事や座りっぱなしの作業環境、肥満などは、足への負担を増大させ、血液のうっ滞をさらに悪化させます。また、むくんで引き伸ばされた皮膚は非常にデリケートで乾燥しやすく、バリア機能が低下しています。そのため、乾燥する季節や、靴下による摩擦、わずかな引っかき傷などの外部刺激が加わると、容易に炎症が広がり、治りにくくなってしまいます。

 

 

日常生活で気をつけたいポイント

point

うっ滞性皮膚炎の症状を悪化させない、また再発を防ぐためには、ご自宅や仕事場でのちょっとした工夫が大きな役割を果たします。できる範囲からライフスタイルに取り入れてみてください。

長時間の立ちっぱなし・座りっぱなしを避ける

同じ姿勢を長く続けると、重力で足に血液が溜まりやすくなります。立ち仕事の方は時々足踏みをしたり、デスクワークの方はこまめに足を動かしたり、休憩を取るようにしましょう。

足を高くして休む

横になるときや就寝時に、クッションや丸めた布団などの上に足を乗せ、足の位置を心臓よりも少し高く(10〜15cm程度)すると、足に溜まった血液や水分が戻りやすくなり、むくみの軽減につながります。

適度な運動を取り入れる

ふくらはぎの筋肉は、血液を上に押し上げる「ポンプ」の役割を果たしています。無理のない範囲でのウォーキングや、足首の曲げ伸ばし運動を行うことで、ポンプ機能を活性化させましょう。

 

 

 

うっ滞性皮膚炎(うったいせいひふえん)の主な治療方法

treatment method

うっ滞性皮膚炎の治療では、皮膚に起きている炎症を抑える「皮膚科的アプローチ」と、足の血流の滞りを改善する「血流対策(圧迫療法)」を同時に行うことが極めて重要です。

外用薬(塗り薬)による治療

Close-up of white toothpaste being squeezed onto a fingertip from a tube.

皮膚の赤みや湿疹、強いかゆみを抑えるために、適切な強さのステロイド外用薬を使用します。また、皮膚がカサカサと乾燥している場合は、皮膚のバリア機能を補うためにヘパリン類似物質などの保湿剤を併用します。皮膚が破れて皮膚潰瘍(じゅくじゅくしたただれ)になっている場合は、傷を保護して組織の再生を促す特殊な軟膏を使用します。

圧迫療法(血流の改善)

血流のうっ滞(滞り)を防ぐため、医療用の弾性ストッキングや弾性包帯を用いて足を適度に圧迫します。これにより静脈の血液が心臓へ戻るのを助け、むくみや皮膚炎の根本的な原因を抑えます。

内服薬(飲み薬)の併用

Blister packs with evenly spaced round white pills scattered across a metallic surface.

かゆみが強く、夜間に無意識に掻き壊してしまう恐れがある場合は、かゆみを抑える抗ヒスタミン薬などを処方することがあります。

血流の悪化を放置したまま市販のお薬だけで済ませようとすると、次第に皮膚が硬くなり、治りにくい頑固な潰瘍へと進行してしまうリスクがあります。皮膚科で正しい診断と治療を受け、早期に対策を始めましょう。

 

注意事項

患部を強くこすったり、かき壊したりしない

  • うっ滞性皮膚炎の皮膚は非常に脆くなっています。掻き壊すと小さな傷から一気に皮膚が破れ、じゅくじゅくとした治りにくい潰瘍に進行することがあります。

爪は短く丸く整えておく

  • 無意識に足を掻いてしまったときに、皮膚を深く傷つけてしまうのを防ぐため、爪はこまめに手入れしてください。

入浴時は熱いお湯を避ける

  • 熱すぎるお湯は皮膚を刺激してかゆみを強める原因になります。ぬるめのお湯(38〜40℃程度)で入浴するようにしましょう。

足を洗うときは優しく泡で洗う

  • ナイロンタオルなどでゴシゴシと力を入れて洗うと、デリケートな皮膚を痛めます。石けんをしっかり泡立て、手のひらで包み込むように優しく洗い、しっかり流してください。

入浴後は優しく保湿を行う

  • 血流が悪い皮膚は乾燥しやすいため、入浴後は医師から指示された保湿剤や外用薬を、皮膚をこすらないように優しく点在させるように塗ってください。

処方された薬や弾性ストッキングは指示通りに使用する

  • お薬の塗り方や量、弾性ストッキングの着用頻度は、医師の指示を守ってください。自己判断で中止すると、むくみや炎症がすぐにぶり返す原因になります。

市販の湿疹薬を長期間漫然と使い続けない

  • 原因である「血流のうっ滞」を解決しないまま、市販の塗り薬だけで様子を見ていると、症状が徐々に悪化して重症化することがあります。

足に傷や強い赤み、痛みが出た場合は早めに受診する

  • 血流が悪い足は細菌に感染しやすく、「蜂窩織炎(ほうかしきえん)」という重い感染症を起こすことがあるため、急な腫れや痛みがある場合は早急に皮膚科を受診してください。

よくある質問

faq

  • うっ滞性皮膚炎は自然に治りますか?

    うっ滞性皮膚炎は、足の静脈の血流悪化という「構造的な問題」が背景にあるため、特別な対策をせずに自然に軽快することはほとんどありません。一時的にかゆみが治まることはあっても、むくみや血流の滞りを放置すると徐々に悪化し、皮膚が硬くなったり黒ずんだり、潰瘍になったりします。慢性化する前に、皮膚科で適切な治療を始めることが大切です。

  • 市販薬を使っても大丈夫ですか?

    初期のカサカサに対して市販の保湿クリームを塗ることで、一時的に乾燥が和らぐことはあります。しかし、根本にある「血液のうっ滞」や「強い炎症」は市販薬だけでは解決できません。また、合わないお薬を使い続けると、皮膚がさらに過敏になって「かぶれ」を合併することもあるため、早めの受診をおすすめします。

  • 薬はどのくらい使えばよいですか?

    皮膚の赤みやかゆみといった炎症自体は、ステロイド外用薬などを適切に使用することでおおむね数週間から数ヶ月で落ち着いてきます。ただし、根本にある足のむくみや血流の悪さは続くため、炎症が治まった後も、保湿剤によるスキンケアや弾性ストッキングによる圧迫療法は、長く続けていく必要があります。

  • 子どもも診てもらえますか?

    うっ滞性皮膚炎は、加齢や静脈の弁の不具合、立ち仕事などが原因で起こる疾患のため、子どもが発症することは基本的にありません。もしお子さまの足に湿疹や赤み、かゆみがある場合は、乾燥肌(ドライスキン)やアトピー性皮膚炎、接触皮膚炎(かぶれ)など別の疾患の可能性が考えられます。当院では小児皮膚科の診療も行っておりますので、気になる症状があればいつでもご相談ください。

  • 再発を防ぐにはどうすればよいですか?

    皮膚の炎症が落ち着いた後も、弾性ストッキングの着用を続け、毎日の保湿ケアを怠らないことが大切です。また、長時間の立ち仕事を避ける、休憩時に足を高くする、ふくらはぎの運動を行うなど、日常生活の中で足に血液を溜め込まない習慣を継続することが、最も効果的な再発予防になります。

  • どのくらい通院が必要ですか?

    症状の程度によって異なります。治療を開始した初期の段階や、皮膚がじゅくじゅくして傷になっている場合は、お薬の効果や弾性ストッキングが正しく使えているかを確認するため、1〜2週間ごとに受診していただくことが多いです。症状が安定し、ご自宅でのセルフケアが順調に行えるようになれば、通院の間隔を1〜2ヶ月に延ばしていくことが可能です。

監修医師

院長中山 由美

診療科目

皮膚科・美容皮膚科

資格 ・所属学会

  • 医学博士
  • 日本皮膚科学会認定皮膚科専門医
  • 臨床研修指導医
  • アラガンジュビダームビスタ施注資格医
  • アラガンボトックスビスタ施注資格医
  • 日本皮膚科学会 正会員
  • 日本臨床皮膚科学会 正会員
  • 日本美容皮膚科学会 正会員
  • 日本皮膚免疫アレルギー学会 正会員
  • 日本医師会 正会員
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