岡山市北区の皮膚科・美容皮膚科クリニック ゆみ皮膚科

スプーンネイル

(匙状爪、さじじょうつめ)

スプーンネイルとは?

about

スプーンネイル(匙状爪:さじじょうつめ)とは、本来であればゆるやかなアーチ状に丸みを帯びている爪の表面が、中央部分を中心に平らになったり、スプーンのように中央が凹んで周囲が反り返ったりしてしまう状態を指します。
主に手の親指や人差し指、中指など、日常生活でよく使う指の爪に現れやすいのが特徴です。
爪が薄く柔らかくなってしまうため、外からの力に負けて反り返りやすくなります。この症状は、爪そのものの異常だけでなく、体内の栄養状態(特に鉄分の不足)や、指先への慢性的な機械的刺激などが深く関係して起こります。
また、乳幼児や小さな子どもの足の親指などにも比較的よく見られることがありますが、成長とともに自然に改善していくケースもあります。感染性はないため周囲の人にうつる心配はありませんが、原因に応じた適切なケアや治療を行うことが大切です。
爪が薄くなり、爪の両側や爪先がそり返ってスプーンのようになった状態です。
爪を切る時、爪の両側を丸く切り、短くなると、爪は指の腹に加わる力を支えきれなくなります。指先に力の入る仕事、鉄欠乏性貧血、甲状腺の病気、感染症、乾癬、外傷でもなりやすいです。
幼児は裸足で遊ぶため、足の親指の爪がなることがあります。履物を履いて遊ぶと、自然に正常な爪に戻ります。

こんな方におすすめ

recommend

  • 爪の中央が凹み、先端や周囲がスプーンのように反り返っている
  • 爪が以前よりも薄く、柔らかくなったように感じる爪が割れやすい、欠けやすい、二枚爪になりやすい
  • 指先や爪のまわりにカサカサした乾燥や赤み、軽度の湿疹がある
  • 爪が反り返って引っかかりやすく、指先に力を入れると痛みを感じる
  • ネイルエッセンスなどの市販薬や市販の保湿剤を使っても症状が改善しない
  • 疲れやすい、息切れがする、目眩(めまい)がするなど、貧血のような症状が伴う
  • 子どもの爪の形が変形している、または爪の皮剥けや異常が長引いている

治療に対する思い

philosophy

スプーンネイル(匙状爪、さじじょうつめ)でお悩みの方へ

爪の形が変わってしまうと、手元が目に入るたびに不安になったり、ストッキングや衣服に爪が引っかかって日常生活でストレスを感じたりされるかと思います。
ゆみ皮膚科では、患者さまが抱える爪のお悩みにじっくりと耳を傾け、単に形を整えるだけでなく、「なぜ爪が変形してしまったのか」という根本的な背景に目を向けた診療を心がけています。
スプーンネイルの原因は、日々の手の使い方による外部刺激から、体内の栄養状態(鉄欠乏など)まで多岐にわたります。

当院では、お一人ひとりの生活背景や体質に合わせ、必要な場合は医療機関での内服薬の処方や、ご自宅で無理なく続けられる正しい爪の切り方、指先の保湿といったスキンケア指導を丁寧に行います。
特に小さなお子さまの爪の変形は、保護者の方も「このままずっと治らないのではないか」と心配されることが多いものです。
一時的な症状かどうかの見極めも含め、安心していただけるよう分かりやすくご説明いたします。
症状をコントロールし、健やかで快適な指先を取り戻せるよう、やさしく誠実にサポートしてまいります。

院長 中山 由美

スプーンネイル(匙状爪、さじじょうつめ)の原因

cause

体内での鉄分不足(鉄欠乏性貧血)

Iron deficiency infographic showing fatigue, iron absorption in the intestine, and spoon nails; labels read 正常, スプーンネイル.

スプーンネイルの代表的な内的要因は、体内の鉄分不足です。爪の主成分であるケラチンを正常につくるプロセスには鉄分が深く関わっており、鉄が不足すると爪が薄く、スプーンのように柔らかくなってしまいます。特に月経のある女性や妊婦さん、成長期のお子さまに多く見られるメカニズムです。

指先への慢性的・機械的な外部刺激

日常的にお仕事や家事で指先に強い圧力が加わることも原因となります。爪の先端に下から上へと強い力がかかり続けると、薄い爪はその圧力に耐えきれず、先端が反り返るように変形していきます。また、有機溶剤や強い洗剤を頻繁に使用することによる、爪のバリア機能の低下も影響します。

子どもの発達段階における一時的な特徴

乳幼児や小さな子どもの足の親指などにスプーンネイルが見られる場合、これは多くが病気ではなく、成長過程における一時的なものです。赤ちゃんの爪はもともと非常に薄くて柔らかく、ハイハイや歩き始めの段階で足の指先に強い力が加わることで、一時的に爪が反り返ることがあります。

 

スプーンネイルの検査と主な治療方法

treatment method

原因を突き止めるための血液検査

スプーンネイルの原因として最も頻度が高いのが「鉄欠乏性貧血」です。そのため、当院では必要に応じて血液検査を行い、体内の鉄分(ヘモグロビンや貯蔵鉄であるフェリチン)が不足していないかを確認します。

内服療法(鉄剤の処方)

検査の結果、鉄分の不足が判明した場合は、不足した鉄を補うための鉄剤を処方いたします。体内の鉄分が満たされていくと、新しく生えてくる爪が徐々に健康的な硬さと厚みを取り戻し、変形が落ち着いていくことが期待できます。

爪まわりのバリア機能を高める外用療法

Close-up of white toothpaste being squeezed onto a fingertip from a tube.

爪をつくる根元(爪母)の周辺に湿疹や赤み、強い乾燥がある場合、生えてくる爪の質が低下して薄くなりやすくなります。そのため、必要に応じて炎症を抑える外用薬や、皮膚を保護するための保湿剤を処方し、健康な爪が育ちやすい土台を整えます。
乾燥は爪をいっそう脆く(もろく)させます。
手洗いや入浴の後は、ハンドクリームやネイルオイルなどの保湿剤を、爪の根元や側面の皮膚まで優しくすり込むように塗りましょう。水仕事の際は手袋を着用する洗剤や水に長時間触れると、爪の水分や脂分が奪われて柔らかくなり、変形やひび割れが悪化しやすくなります。洗剤を使用する際は、ゴム手袋(肌が弱い方は内側に綿手袋)を着用して指先を保護してください。

注意事項

爪を無理に引っ張ったり、ちぎったりしない

  • 反り返った爪が衣服などに引っかかると、爪が裂けて痛みを伴うケガにつながるため、爪の先端を引っ張ったり無理にちぎったりしないでください。

爪は深爪を避け、スクエアオフに整える

  • 爪を切り落とす際は、深爪をしないように注意し、短く整えすぎず「指の先端と同じくらいの長さ」を保つように、スクエアオフ(四角く切って角を少し丸める)の形に整えるのが理想です。

入浴はぬるめのお湯で行う

  • 入浴時は、熱すぎるお湯は皮膚や爪の乾燥を招くため、ぬるめのお湯で優しく指先を洗ってください。

爪まわりは泡でやさしく洗う

  • 体を洗うときはナイロンタオルなどで爪まわりを強くこすらず、石けんをよく泡立てて優しく洗うようにしましょう。

入浴後は爪と周囲をしっかり保湿する

  • 入浴後は爪が水分を含んで柔らかくなっているため、乾燥が進む前に速やかに保湿剤を爪と周辺の皮膚へしっかり塗布してください。

処方薬は医師の指示どおり継続する

  • 処方された鉄剤や外用薬がある場合は、自己判断で途中で中止せず、医師の指示に従って適切な量・期間を継続してください。

爪の変形が改善しない場合は皮膚科へ相談する

  • 市販の爪用美容液や保湿剤を長期間使用しても形が改善しない場合や、爪の変形が広がっている場合は、背景に別の疾患(甲状腺の病気など)が隠れている可能性もあるため、皮膚科へご相談ください。

赤み・腫れ・膿がある場合は早めに受診する

  • 爪の周囲が赤く腫れ、激しい痛みや、じゅくじゅくとした膿(うみ)が出た場合は、細菌感染を起こしている恐れがあるため、早めに受診してください。

よくある質問

faq

  • スプーンネイルは自然に治りますか?

    小さな子どもの足の爪に見られるスプーンネイルは、成長に伴って爪が厚くしっかりしてくることで、自然に軽快することが多くあります。一方で、大人の場合は鉄分不足や慢性的な手の酷使が原因であることが多く、その背景にある原因を解消(治療や生活改善)しない限り、自然に元の形へ戻ることは難しい傾向にあります。形が変わってきたと感じたら、早めに皮膚科へご相談ください。

  • 市販薬を使っても大丈夫ですか?

    軽い乾燥に対して市販のハンドクリームやネイルエッセンスで保湿を行うことは有効です。しかし、爪そのものの変形を市販薬だけで完全に改善することは難しく、もし背景に鉄欠乏性貧血がある場合は、食事の工夫や医療機関での適切な鉄剤の服用が必要です。原因に合わない自己ケアを長く続けるより、一度診察を受けることをおすすめします。

  • 薬(鉄剤など)はどのくらい使えばよいですか?

    爪は1日に約0.1mm、根元から先端まで全て生え変わるのに手の爪で約半年、足の爪で約1年以上かかります。そのため、原因が鉄不足であり鉄剤の服用を始めた場合でも、爪の形が変化して効果を実感できるようになるまでには数ヶ月以上の期間が必要となります。自己判断で中止せず、医師の指示通りに根気強く続けることが大切です。

  • 子どもも診てもらえますか?

    はい、当院ではお子さまの爪や皮膚の診療も行っております。幼児期の足の爪のスプーンネイルは生理的なものであることが多いですが、稀に栄養の偏りや、靴のサイズが合っていないことによる圧迫が原因のこともあります。保護者の方の不安に寄り添い、丁寧に見極めてアドバイスいたしますので、安心してお連れください。

  • 再発を防ぐにはどうすればよいですか?

    鉄分の多い食事(レバー、赤身の肉や魚、ほうれん草など)を意識してバランスの良い食生活を心がけること、そして指先に過度な負担や乾燥(外部刺激)を与えないように日常的な保湿や手袋による保護を継続することが、すこやかな爪を維持し再発を防ぐための最大のポイントです。

  • どのくらい通院が必要ですか?

    最初の診断や血液検査の後は、お薬(鉄剤など)の服用による体調の変化や、新しく生えてくる爪の状態を確認するため、最初は1ヶ月に1回程度のペースで受診していただくことがあります。症状が落ち着き、鉄分の数値や爪の成長が順調であれば、徐々に通院間隔を空けていくことが可能です。患者さまの通いやすいペースを医師と相談しながら決めていきましょう。

監修医師

院長中山 由美

診療科目

皮膚科・美容皮膚科

資格 ・所属学会

  • 医学博士
  • 日本皮膚科学会認定皮膚科専門医
  • 臨床研修指導医
  • アラガンジュビダームビスタ施注資格医
  • アラガンボトックスビスタ施注資格医
  • 日本皮膚科学会 正会員
  • 日本臨床皮膚科学会 正会員
  • 日本美容皮膚科学会 正会員
  • 日本皮膚免疫アレルギー学会 正会員
  • 日本医師会 正会員
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