岡山市北区の皮膚科・美容皮膚科クリニック ゆみ皮膚科

乾癬

(かんせん)

乾癬とは?

about

乾癬(かんせん)とは、皮膚の代謝サイクルが異常に早まることで、肌にさまざまな症状が引き起こされる慢性の皮膚疾患です。

主な症状は、皮膚が境界鮮明に盛り上がる「赤み(紅斑:こうはん)」と、その表面に銀白色の細かいかさぶたのような角質(鱗屑:りんせつ)が付着し、それがポロポロとはがれ落ちる現象です。また、多くの患者さまが慢性的なかゆみを伴います。

発症しやすい部位は、衣服やすれるなどの外部刺激を受けやすい「ひじ」「ひざ」「頭皮」「腰まわり」などです。症状の経過は人によって異なり、良くなったり悪くなったり(寛解と増悪)を慢性的に繰り返す特徴があります。

なお、名前に「感染」を連想させる響きがありますが、ウイルスや細菌による病気ではないため、他人に感染する(うつる)ことは決してありません。主に成人に多く見られる疾患ですが、まれに子どもが発症することもあり、適切な診断と中長期的なケアが必要とされます。

乾癬は、厚いふけがついた赤い皮疹が全身にみられ,刺激を受けやすいところによくできます。
・ 他の人にはうつりません。
・ 爪の変形、関節の炎症がみられることもあります。
・ 扁桃炎の後にできることもあります。
・ 徐々に増えてきています。遺伝性もあります。
・ 不規則な生活や傷,感染,薬、肥満、ストレスなどが関係しているといわれています。

こんな方におすすめ

recommend

  • 頭皮やひじ、ひざに、カサカサした銀白色の粉を吹いたような赤みがある
  • 皮膚の一部が赤く盛り上がり、フケのような白いクズがポロポロ落ちる
  • 頭のフケや生え際の湿疹がひどく、市販のシャンプーや薬を使っても改善しない
  • 全身のあちこちに赤いぶつぶつや斑点が広がり、長引くかゆみがある
  • 爪が分厚くなったり、表面に小さな凹凸(点状陥凹)ができて変形している
  • 皮膚の症状だけでなく、手足の関節に痛みや腫れを感じる
  • 子どもの皮膚にカサカサした赤い湿疹ができ、なかなか治らない

治療に対する思い

philosophy

乾癬(かんせん)でお悩みの方へ

乾癬は、皮膚の見た目の変化や、衣服に落ちる白い皮膚の粉の存在などから、「他人の目が気になって好きな服を着られない」「美容院に行きづらい」といった、精神的な負担や深いお悩みを抱えやすい疾患です。また、感染する病気ではないという正しい理解が周囲に浸透していないため、周囲の視線に傷つかれる患者さまもお見かけします。

ゆみ皮膚科では、そうした患者さまの不安や苦しみに優しく寄り添い、お一人お一人の症状の程度や生活背景に合わせて、無理なく続けられる治療プランをご提案いたします。単にお薬を処方するだけでなく、適切な外用薬(塗り薬)の塗り方、日々の丁寧な保湿、衣服の選び方など、生活面でのアドバイスも大切にしています。

乾癬は現在の医療において「完全に症状をなくし去る(完治)」ことは難しいですが、適切な治療によって「症状を良好にコントロールし、日常生活を何不自由なく快適に過ごせる状態を維持する」ことは十分に目指せます。お子さまから大人の方まで、どうぞ一人で悩まずに、信頼感と安心感のある当院へリラックスしてご相談ください。

院長 中山 由美

乾癬(かんせん)の原因

cause

免疫システムの異常(過剰な炎症反応)

乾癬の根本的な原因は、本来は体を守るはずの免疫細胞(T細胞など)が異常に活性化し、皮膚の組織で過剰な炎症を起こしてしまうことにあります。この炎症によって、サイトカインと呼ばれる情報伝達物質が大量に放出され、皮膚を赤く腫らせたり、かゆみを引き起こしたりします。

皮膚のターンオーバーの過度な加速

免疫の異常によって刺激を受けた表皮細胞は、通常よりも猛烈なスピードで増殖を始めます。健康な肌の生まれ変わり(ターンオーバー)には約28日かかりますが、乾癬の患部ではわずか数日(約4〜7日)に短縮されています。このため、未熟な皮膚の細胞が次々と積み重なり、厚く盛り上がって銀白色の粉(鱗屑)となってはがれ落ちる内的メカニズムが働きます。

遺伝的素因と環境因子の組み合わせ

乾癬は、アレルギー素因に似た「乾癬になりやすい体質(遺伝的素因)」を持っている人に、さまざまな環境因子(悪化要因)が加わることで発症すると考えられています。外的刺激(摩擦・キズ)をはじめ、気候の乾燥、感染症(風邪など)、精神的ストレス、肥満、特定の薬剤などが引き金となり、症状が誘発・増悪します。

乾癬の主な治療方法

treatment method

乾癬の治療は、過剰になっている皮膚の増殖と免疫反応を抑え、お肌を正常な状態へ導くアプローチを行います。患者さまの症状の範囲や重症度に合わせて、以下の治療法を組み合わせて行います。

外用療法(塗り薬)

Close-up of white toothpaste being squeezed onto a fingertip from a tube.

乾癬治療の基本となる方法です。主に皮膚の炎症を強力に抑える「ステロイド外用薬」と、皮膚の異常な増殖を抑えて表皮のサイクルを整える「活性型ビタミンD3外用薬」、あるいはこれらが配合されたお薬を処方します。

内服療法(飲み薬)

Blister packs with evenly spaced round white pills scattered across a metallic surface.

外用薬だけでは十分にコントロールできない場合や、皮疹の範囲が広い場合に検討します。免疫の過剰な働きを抑えるお薬や、皮膚の角化を抑えるビタミンA誘導体など、患者さまの体質を考慮しながら選択します。

全身管理と専門医療機関との連携

乾癬が重症なケースや、関節の痛みを伴う「乾癬性関節炎」などの場合は、注射薬(生物学的製剤)による治療が必要となることがあります。その場合は、的確な診断のもと、速やかに専門の総合病院をご紹介できる体制を整えています。

日常生活で気をつけたいポイント

point

乾癬は、皮膚への物理的な刺激や、生活習慣の乱れによって症状が悪化しやすい性質を持っています。ご家庭で以下のポイントを意識することで、良好な肌状態を保ちやすくなります。

皮膚をこすらない・刺激を与えない(ケブネル現象の防止)

乾癬には、健康な皮膚に摩擦やキズなどの刺激が加わると、その場所に新しい乾癬の症状(皮疹)が現れる「ケブネル現象」という特徴があります。体を洗うときにナイロンタオルでゴシゴシ擦ったり、かき壊したりするのは避けましょう。

かさぶた(鱗屑)を無理にはがさない

皮膚の表面に付着した銀白色の粉や角質が気になっても、無理に指でむしり取ってはいけません。無理にはがすと、その刺激でかえって症状が悪化したり、出血を招いたりします。

バランスの良い食生活と体重管理

乾癬は、肥満、高血圧、糖尿病などのメタボリックシンドロームや生活習慣病と深く関係していることが分かっています。脂っこい食事や飲酒、喫煙は症状を悪化させる外的要因となるため、規則正しい生活を心がけましょう。

 

注意事項

患部を強くこすったり、かき壊したりしない

  • ひっかき傷や摩擦の刺激が加わると、その傷跡に沿って新しく症状が広がってしまいます。

爪は短く丸く整え、お肌を傷つけないようにする

  • 就寝中などに無意識に患部を触ってしまうのを防ぎ、皮膚へのダメージや二次感染を予防します。

入浴時は熱いお湯を避け、ぬるめのお湯にする

  • 熱いお湯は皮膚を乾燥させ、かゆみを増強させる原因になります。ぬるめのお湯でリラックスして入浴してください。

体を洗うときは泡で包み込むように優しく洗う

  • 石けんやボディソープをしっかり泡立て、手のひらを使って優しく洗い、ゴシゴシこするタオル等の使用は控えましょう。

入浴後は皮膚の乾燥を防ぐため、保湿を行う

  • 肌が乾燥するとバリア機能が低下し、外部刺激に敏感になります。処方されたお薬や保湿剤を優しく塗布してください。

処方されたお薬は、医師の指示に従って適切な量・回数で使用する

  • 特にステロイド外用薬などは、症状が一時的に良くなったからといって自己判断で急に中止せず、医師の指示に従ってください。

市販薬を長期間使用しても改善しない場合は皮膚科へ相談する

  • 一般的な湿疹や水虫(白癬)と見分けがつきにくく、合わない市販薬を使い続けると悪化することがあるため、正確な診断が必要です。

ストレスを溜め込まず、十分な睡眠をとる

  • 精神的ストレスや寝不足は免疫バランスを乱し、症状を悪化させる要因となります。

よくある質問

faq

  • 乾癬は自然に治りますか?

    乾癬は慢性的に経過する疾患であり、生活環境や季節によって一時的に症状が軽快することはありますが、完全に自然治癒することは珍しいとされています。放置すると症状が全身に広がったり、関節の痛みを引き起こしたりすることがあるため、皮膚科での適切な診断と管理を継続することが大切です。

  • 市販薬を使っても大丈夫ですか?

    初期の乾癬は、一般的な湿疹や乾燥肌、フケ症などと見分けがつきにくいため、市販の保湿剤や湿疹用の塗り薬を試される方も多いです。一時的にかゆみが和らぐことはあっても、乾癬に合わせた適切な有効成分(活性型ビタミンD3など)でなければ根本的なコントロールは難しいため、効果を実感できない場合は早めに受診してください。

  • 薬はどのくらい使い続ければよいですか?

    乾癬は症状の波がある病気のため、お薬は数ヶ月〜年単位など長期にわたり付き合っていくことが多くなります。肌の状態が良いときは、薬の強さを優しくしたり回数を減らしたりしてコントロールを行います。自己判断で中止すると急に悪化することがあるため、必ず医師の指示に従ってください。

  • 子どもも診てもらえますか?

    はい、もちろん診察しております。小児の乾癬は成人に比べて頻度は低いですが、発症することがあります。お子さまの肌はデリケートですので、年齢や体重、皮膚の状態に合わせた優しい外用薬の選定や、保護者の方も安心できるスキンケア指導を行っております。

  • 再発(症状の悪化)を防ぐにはどうすればよいですか?

    症状の悪化や再発傾向を防ぐには、毎日の正しいスキンケア(皮膚に刺激を与えない・しっかり保湿する)を継続することが不可欠です。あわせて、高カロリーな食事を避ける、禁煙する、感染症(風邪など)の予防を心がけるといった、規則正しい生活習慣の維持が大切です。

  • どのくらい通院が必要ですか?

    症状の程度や選択する治療法によって異なります。治療を開始した初期や症状が不安定な時期は、お薬の効果や副作用を確認するために2週間〜1ヶ月に1回程度の通院が必要となることが多いです。症状が落ち着き、良い状態がキープできるようになれば、通院の間隔を段階的にのばしていくことができます。

監修医師

院長中山 由美

診療科目

皮膚科・美容皮膚科

資格 ・所属学会

  • 医学博士
  • 日本皮膚科学会認定皮膚科専門医
  • 臨床研修指導医
  • アラガンジュビダームビスタ施注資格医
  • アラガンボトックスビスタ施注資格医
  • 日本皮膚科学会 正会員
  • 日本臨床皮膚科学会 正会員
  • 日本美容皮膚科学会 正会員
  • 日本皮膚免疫アレルギー学会 正会員
  • 日本医師会 正会員
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