岡山市北区の皮膚科・美容皮膚科クリニック ゆみ皮膚科

掌蹠膿疱症

(しょうせきのうほうしょう)

掌蹠膿疱症とは?

about

掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)とは、手のひら(掌)や足のうら(蹠)に、膿がたまった小さなぶつぶつ(膿疱:のうほう)が繰り返しできる皮膚疾患です。

初期には小さな水ぶくれ(水疱)から始まり、次第に黄色い膿疱へと変化します。その後、かさぶたになって皮膚が剥がれ落ちるというサイクルを数ヶ月から数年単位で慢性的に繰り返すのが特徴です。

膿疱というと「人にうつるのではないか」と心配される方も多いですが、この膿の中には細菌やウイルスが含まれていないため、周囲の人に感染する心配はありません。手のひらや足のうらは日常生活でよく使う部位であるため、赤みや亀裂(ひび割れ)を伴うと強い痛みを感じ、歩行や手作業などの日常生活に支障をきたすことも少なくありません。

・ 他の人にはうつりません。
・ 爪の変化や関節の痛みがでることがあります。
・ 原因として喫煙,扁桃炎,むし歯,金属アレルギーなどがみられることもあります。

こんな方におすすめ

recommend

  • 手のひらや足のうらに、小さな水ぶくれや黄色いぶつぶつ(膿疱)が繰り返しできる
  • 手足の皮膚が赤くなり、カサカサして細かく剥がれ落ちる
  • 皮膚が硬くなってひび割れ(亀裂)ができ、歩くと痛い、物に触れると痛い
  • 手足に強いかゆみや、じんわりとした熱感がある
  • 爪の形が変形したり、分厚くなったり、表面が凸凹している
  • 胸の骨や鎖骨、関節などに原因不明の痛みがある(掌蹠膿疱症性骨関節炎の疑い)
  • 市販薬の保湿剤や湿疹の薬を使っても症状が改善しない

治療に対する思い

philosophy

掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)でお悩みの方へ

手足は毎日何度も目に入り、また頻繁に使う場所だからこそ、そこに生じる皮膚症状は大きなストレスや不安につながりやすいものです。ゆみ皮膚科では、患者さまお一人ひとりの現在の症状、そしてお仕事や家事、育児といった生活背景に寄り添いながら、無理なく継続できる治療プランをご提案いたします。

掌蹠膿疱症は、残念ながら「この薬を塗ればすぐに完全に治る」という一過性の病気ではなく、症状の波を上手にコントロールしていくことが大切な慢性疾患です。当院では、単に外用薬を処方するだけでなく、お薬の効果を最大限に引き出すための正しい塗り方、毎日の適切なスキンケア方法、そして症状を悪化させる背景因子への対策まで、分かりやすく丁寧にご説明いたします。

小さなお子さまから大人の方まで、地域の皆さまが「手足を気にせず、快適に日常生活を過ごせる状態」を保てるよう、誠実で安心感のある医療をお届けしてまいります。どんな些細な変化でも、どうぞお気軽にご相談ください。

院長 中山 由美

掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)の原因

cause

免疫システムの異常(非感染性の炎症)

掌と足の裏に現れる小さな嚢胞の発生過程を示す、免疫異常と好中球の集積、膿胞形成の図

掌蹠膿疱症の直接的な原因は、本来なら体を守るはずの免疫システムが何らかの理由で過剰に働き、手のひらや足のうらの皮膚に好中球(白血球の一種)が集まってしまうことにあります。これにより、細菌感染ではないにもかかわらず、膿のたまったぶつぶつ(膿疱)が形成されます。

体質や内的要因(扁桃や歯の慢性炎症、金属アレルギー)

体質的な要因として、のどの「扁桃」や「歯(虫歯・歯周病)」などにある慢性的・潜在的な感染症が、遠く離れた手足の免疫に異常スイッチを入れてしまうメカニズム(病巣感染)が指摘されています。また、歯科治療で使われている金属や食事に含まれる微量の金属に対する「金属アレルギー」が関与しているケースもあります。

生活環境や外部刺激(喫煙・ストレス・摩擦)

外的要因として特に影響が大きいのが「ニコチン(喫煙)」です。タバコに含まれる成分が免疫系を刺激し、症状の発症や悪化に深く関わっているとされています。さらに、肉体的・精神的なストレス、睡眠不足、季節の変わり目の乾燥、靴や衣服による過度な摩擦なども、症状をぶり返させる誘因となります。

 

 

掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)の主な治療方法

treatment method

掌蹠膿疱症の治療では、主に外用療法(塗り薬)を中心に行い、症状の程度や経過に応じて内服療法を組み合わせていきます。

外用療法(塗り薬)

Close-up of white toothpaste being squeezed onto a fingertip from a tube.

皮膚の炎症や赤みを抑えるための「ステロイド外用薬」や、皮膚の異常な角化(カサカサやゴワゴワ)を抑えて正常な状態へ導く「活性型ビタミンD3外用薬」を使用します。これらを症状に合わせて適切に使い分けることが治療の基本です。また、皮膚が乾燥してひび割れるのを防ぐため、保湿剤の併用も重要になります。

内服療法(飲み薬)

Blister packs with evenly spaced round white pills scattered across a metallic surface.

外用薬だけではコントロールが難しい場合、過剰な免疫反応・角化を抑える内服薬を医師の判断のもとで検討します。

日常生活で気をつけたいポイント

point

掌蹠膿疱症は、医療機関での治療と並行して、日常生活の中に潜む悪化要因を少しでも減らしていくことが大切です。

禁煙を心がける(最も重要なポイント)

掌蹠膿疱症は、喫煙との関連性が非常に高いことが分かっています。患者さまご自身の喫煙はもちろん、周囲のタバコの煙(受動喫煙)を吸うことも症状を悪化させる原因になります。まずは減煙・禁煙への取り組みをおすすめします。

病巣感染(慢性的な炎症)の治療

扁桃炎を頻繁に繰り返す方、虫歯や歯周病がある方、慢性副鼻腔炎(蓄膿症)がある方は、それが引き金となって手足に症状が出ている場合があります。気になる症状がある場合は、耳鼻咽喉科や歯科などの専門医を受診し、適切に治療を受けましょう。

手足への外部刺激を減らす

手洗いや洗剤による刺激、靴や靴下による過度な摩擦は皮膚を傷つけ、新しい膿疱を誘発することがあります。水仕事の際はゴム手袋を着用する、足に合った柔らかい靴を選ぶなど、患部への刺激を最小限に抑える工夫をしましょう。

注意事項

膿疱をつぶしたり、皮膚を無理に剥がしたりしない

  • 膿疱(ぶつぶつ)が気になっても、決して無理につぶしたり、剥がれかかった皮膚を強く引っ張って剥いたりはしないでください。傷口から細菌が入り、別の二次感染を引き起こす原因になります。

爪を短く整え、患部をかき壊さない

  • 爪は短く、丸く滑らかに整え、無意識のうちに患部をかき壊して皮膚を傷つけないように注意しましょう。

入浴はぬるめのお湯で行う

  • 入浴時は、熱いお湯は皮膚の乾燥やかゆみを強めるため避け、ぬるめのお湯(38℃〜40℃程度)にしてください。

手足は泡でやさしく洗う

  • 手足を洗うときは、石けんやボディソープをしっかりと泡立て、泡で包み込むようにやさしく洗います。ナイロンタオルなどでゴシゴシと強くこするのは厳禁です。

入浴後は早めに保湿・外用薬を塗る

  • 入浴後は皮膚の水分が急速に失われて乾燥しやすいため、医師から指示された外用薬や保湿剤を、できるだけ早めに(目安として入浴後15分以内)優しく塗り広げてください。

処方された薬は医師の指示どおり使用する

  • 処方された外用薬は、医師の指示に従って適切な量・回数を守って使用してください。「良くなったから」と自己判断で途中でやめてしまうと、すぐに再発したり悪化したりすることがあります。

市販薬で改善しない場合は皮膚科に相談する

  • 市販の湿疹用の薬や保湿剤を長期間使用しても症状が改善しない場合は、自己判断での使用を中止し、お早めに皮膚科へご相談ください。

関節や胸・鎖骨の痛みに注意する

  • 手足の皮膚症状だけでなく、胸の骨(胸骨)や鎖骨、関節、腰などに強い痛みや違和感が生じた場合は、掌蹠膿疱症に伴う関節炎の可能性がありますので、速やかに医師にお申し出ください。

よくある質問

faq

  • 掌蹠膿疱症は自然に治りますか?

    数年の経過の中で自然に軽快へ向かうケースもありますが、多くの場合は良くなったり悪くなったりを年単位で長く繰り返す慢性的な経過をたどります。放置すると、ひび割れによる強い痛みで歩行や仕事に支障が出たり、関節に痛みが波及したりすることがあるため、皮膚科で適切な治療とコントロールを受けることをおすすめします。

  • 市販薬を使っても大丈夫ですか?

    初期のかゆみや乾燥に対して一時的に市販の保湿剤などを使用することは可能ですが、掌蹠膿疱症の根本的な炎症を市販薬だけで抑えることは困難です。また、水虫(白癬)など別の疾患と見分けがつかないまま合わない薬を使うと、かえって症状が悪化することもあります。まずは当院で正しい診断を受けることが大切です。

  • 薬はどのくらい使えばよいですか?

    症状の程度や個人の体質、生活環境によって治療期間は大きく異なります。まずは今ある強い炎症(赤みや膿疱、痛み)を抑えるためにしっかりと外用薬を使用し、落ち着いてきたら薬の強さを調節したり、保湿を中心とした維持療法へと移行します。医師が皮膚の状態を確認しながら指示を出しますので、自己判断で中止せず継続してください。

  • 子どもも診てもらえますか?

    はい、お子さまの皮膚診療にも対応しております。掌蹠膿疱症は主に中高年の成人に多い疾患ですが、稀にお子さまに発症することもあります。また、一見似ている他の子どもの皮膚湿疹や感染症である可能性も含め、丁寧に診察いたします。保護者の方にも分かりやすく状態を説明いたしますので、安心してお連れください。

  • 再発を防ぐにはどうすればよいですか?

    症状の再発や悪化を防ぐためには、処方されたお薬を指示通りに続けることと同時に、生活習慣の改善が不可欠です。特に「禁煙」は再発防止に極めて高い効果が期待できます。また、手足の乾燥を防ぐ毎日の保湿ケア、のどの痛みや虫歯の早期治療、ストレスを溜め込まない生活を意識することが予防につながります。

  • どのくらい通院が必要ですか?

    症状が強く出ている初期の段階や、お薬の調整が必要な時期は、1〜2週間に1回程度の頻度で皮膚の状態を拝見させていただくことがあります。症状が落ち着き、ご自身でのケアやコントロールが安定してくれば、通院間隔を1ヶ月〜数ヶ月に1回へと徐々に延ばしていくことが可能です。状態に合わせて無理のない通院ペースをご案内します。

監修医師

院長中山 由美

診療科目

皮膚科・美容皮膚科

資格 ・所属学会

  • 医学博士
  • 日本皮膚科学会認定皮膚科専門医
  • 臨床研修指導医
  • アラガンジュビダームビスタ施注資格医
  • アラガンボトックスビスタ施注資格医
  • 日本皮膚科学会 正会員
  • 日本臨床皮膚科学会 正会員
  • 日本美容皮膚科学会 正会員
  • 日本皮膚免疫アレルギー学会 正会員
  • 日本医師会 正会員
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