岡山市北区の皮膚科・美容皮膚科クリニック ゆみ皮膚科

伝染性軟属腫

(でんせんせいなんぞくしゅ、みずいぼ)

伝染性軟属腫とは?

about

伝染性軟属腫(でんせんせいなんぞくしゅ)とは、一般的に「みずいぼ」と呼ばれている皮膚の感染症です。伝染性軟属腫ウイルスというウイルスが皮膚に感染することによって発症します。

主な症状は、表面がツルツルとしていて光沢のある、直径数ミリ程度の小さなブツブツです。いぼの中央が少し凹んでいるのが特徴で、その中にウイルスの塊が含まれています。発症しやすい部位は、わきの下、体幹(お腹や背中)、手足の関節の曲がる部分など、皮膚が擦れやすくデリケートな場所です。

みずいぼ自体に強い痛みやかゆみはありませんが、周囲に湿疹を伴うことが多く、それを掻くことで自分の体の他の部位にうつって広がってしまう(自己接種)性質があります。非常に感染力が強く、タオルの共有やプールなどでの直接的な接触を介して周囲の人にうつることも特徴です。主にバリア機能の未熟な子ども(乳幼児から小学校低学年)によく見られる皮膚疾患です。
感染は接触で小さな傷や毛穴からの感染で増えます。アトピー性皮膚炎のお子さまに多いですが、プールでの感染,免疫が低下している方での発症が増えています。プールの後はシャワーできれいに洗いましょう。

こんな方におすすめ

recommend

  • 子どもの肌に、ツヤツヤした小さないぼのようなブツブツができた
  • いぼの周りが赤くなり、かゆがって掻き壊している
  • 最初は1〜2個だったみずいぼが、いつの間にか体中に広がってきた
  • カサカサした乾燥肌の場所に、ブツブツが多発している
  • 兄弟や周囲のお友達にみずいぼが出ている
  • 市販の塗り薬や保湿剤を使っても、ブツブツが改善しない

治療に対する思い

philosophy

伝染性軟属腫(でんせんせいなんぞくしゅ、みずいぼ)でお悩みの方へ

お子さまの体にポツポツとみずいぼが増えていくと、「このまま全身に広がったらどうしよう」「お友達にうつしてしまわないか」と、保護者の方は焦りや不安を感じてしまうことと思います。特にプールが始まる季節などは、周囲への配慮も含めて悩まれるケースが多々あります。

ゆみ皮膚科では、お子さまの年齢、みずいぼの数やできた場所、そして保護者の方のご意向を丁寧にお伺いした上で、無理なく続けられる最適な治療方針をご提案いたします。単に処置を行うだけでなく、これ以上数を増やさないための正しいスキンケアや、ご家庭内での感染対策まで分かりやすくご説明いたします。

みずいぼはウイルスの特性上、一度にすべてをなくすことが難しい場合もありますが、皮膚の状態を適切にコントロールし、お子さまが日常生活や園・学校生活を快適に過ごせる状態を維持することを大切にしています。安心して相談できる温かい診療を心がけておりますので、どうぞお気軽にご来院ください。

院長 中山 由美

伝染性軟属腫ウイルスの局所感染

伝染性軟属腫の直接的な原因は、「伝染性軟属腫ウイルス(ポックスウイルス科)」への感染です。このウイルスは皮膚の最も外側にある角質層の微細なキズから侵入し、表皮の細胞内で増殖します。ウイルスが増殖した細胞が盛り上がることで、中心に白い芯(軟属腫細胞の塊)を持った特徴的なブツブツが形成されます。

子ども特有の未熟なバリア機能とアレルギー体質

大人に比べて、子どもの皮膚は薄く、水分保持能力やバリア機能が未熟です。そのためウイルスが定着しやすい内的要因を持っています。特に乾燥肌(ドライスキン)のお子さまや、アトピー性皮膚炎などのアレルギー素因を持っているお子さまは、皮膚の防衛システムが弱まっているため、みずいぼが多発・長期化しやすい傾向があります。

密着する環境と皮膚への物理的刺激

 

わきの下や太ももの内側など、皮膚同士が擦れ合って摩擦が起きやすい部位は、目に見えないキズができやすくウイルスの好発部位となります。また、プールでのビート板や浮き輪の共有、肌が直接触れ合うような集団活動、汗をかいて皮膚がふやけた状態などは、ウイルスが付着・侵入しやすくなる外的要因となります。

 

 

 

伝染性軟属腫(みずいぼ)の主な治療方法

treatment method

伝染性軟属腫の治療には、大きく分けて「自然に免疫がつくのを待つ(経過観察)」方法と、「専用のピンセットなどで摘除する」方法があり、お子さまの肌状態に合わせて選択します。

専用ピンセットによる摘除(水いぼ採取)

みずいぼの数がまだ少ない段階や、急速に増えている場合には、専用のピンセットを用いていぼを一つずつつまみ、芯(ウイルスの塊)を摘除します。

湿疹やかゆみの治療

Blister packs with evenly spaced round white pills scattered across a metallic surface.

みずいぼの周囲に乾燥や湿疹、強いかゆみがある場合は、そこを掻き壊すことでウイルスが周囲に広がってしまいます。まずは外用薬や抗ヒスタミン薬の内服でかゆみをしっかりと抑え、症状の拡大を防ぎます。

液体窒素による処置など

Close-up of gloved hands applying white cream to bare skin with a cotton swab.

ピンセットでの摘除が難しい場合や、痛みを強く怖がるお子さまには、液体窒素を患部に塗布してウイルスを壊死させる方法などを検討することもあります。

自己判断でいぼを潰すと、中のウイルスが飛び散って一気に増殖したり、キズ口から細菌が入って「とびひ」などの二次感染を起こしたりするリスクがあります。必ず皮膚科を受診し、医師の判断のもとで適切なケアを受けましょう。

感染を広げないためのスキンケアのポイント

point

みずいぼを増やさない・周囲にうつさないためには、毎日の正しいスキンケアによって、皮膚のバリア機能を健やかに保つことが何よりも重要です。

徹底した「保湿」でバリア機能を高める

Person applying moisturizer from a small jar onto their skin.

乾燥肌やアトピー性皮膚炎などで皮膚のバリア機能が低下していると、ウイルスの侵入を許しやすく、みずいぼが劇的に増えやすくなります。毎日の入浴後などには、保湿剤を優しく全身に塗り、肌を保護しましょう。

かゆみ対策を怠らない

Close-up of white toothpaste being squeezed onto a fingertip from a tube.

みずいぼ自体や周囲の湿疹がかゆいとき、掻きむしった爪には大量のウイルスが付着します。その手で別の場所を触ることで感染が広がります。かゆみがある場合は、我慢させずにすぐ皮膚科で外用薬などの適切な処方を受けてください。

タオルの共有を避け、肌の直接接触に注意する

ご家庭内での兄弟や親御さまへの感染を防ぐため、お風呂上がりのバスマットや体を拭くタオルは個別のものを使用しましょう。また、衣服はできるだけ肌が露出しないものを着用させると、引っかき傷からの感染拡大を防ぎやすくなります。

注意事項

患部を強くこすったり、自分で潰したりしない

  • みずいぼを引っかいて潰してしまうと、中の白い芯(ウイルスの塊)が周囲の健康な皮膚に付着し、一気に数が増えてしまいます。

爪は常に短く、丸く整えておく

  • お子さまが無意識に患部を掻いてしまった際、皮膚を深く傷つけてウイルスを広げたり、細菌感染を起こしたりするのを防ぎます。

入浴時は熱いお湯を避け、長風呂は控える

  • 熱いお湯は皮膚の乾燥を招き、かゆみを増強させる原因になります。38〜40℃程度のぬるめのお湯にしましょう。

体を洗うときはナイロンタオルを使わず、泡で優しく洗う

  • タオルなどでゴシゴシ擦ると、みずいぼが潰れて全身にウイルスが広がります。石けんをしっかり泡立て、手を使って優しく撫でるように洗い、しっかりと洗い流してください。

入浴後は速やかに保湿ケアを行う

  • 肌のバリア機能を補うため、入浴後は優しく水分を拭き取り、医師から指示された保湿剤を塗りましょう。みずいぼがある場所を触った手でそのまま他の場所に保湿剤を塗り広げないよう、塗る順番にも配慮が必要です。

よくある質問

faq

  • 伝染性軟属腫(みずいぼ)は自然に治りますか?

    はい、みずいぼは体の中にウイルスに対する免疫ができると、最終的には自然に軽快する疾患です。ただし、免疫がつくまでには半年から長ければ1〜2年ほどかかることがあり、その間に自分の体の中で数が数百個に増えてしまうこともあります。症状が長引く場合や、かゆみが強くて掻き壊してしまう場合は、早めに皮膚科へご相談ください。

  • 市販薬を使っても大丈夫ですか?

    一般的な湿疹用の市販薬(特にステロイド成分を含むもの)を自己判断でみずいぼのブツブツそのものに塗り続けると、局所の免疫が下がり、かえってみずいぼが急激に増殖してしまうことがあります。みずいぼに効果のある市販の特効薬はないため、原因に合わない薬を使わず、まずは一度受診して診断を受けていただくのが安心です。

  • 治療にはどのくらいの期間通う必要がありますか?

    ピンセットで一度にすべて摘除できればその場で落ち着くこともありますが、目に見えないほど小さな潜伏期のいぼが後から次々と出てくることが多いため、数週間に一度のペースで何度か通院が必要になるケースが一般的です。経過観察(自然治癒を待つ)を選択した場合も、周囲の湿疹をコントロールするために定期的に肌の状態を拝見します。

  • 子どもも診てもらえますか?

    はい、もちろん診察いたします。みずいぼは圧倒的にお子さまに多い疾患ですので、当院では日々たくさんのお子さまたちの診療を行っています。無理に痛い処置を強いるのではなく、お子さまの恐怖心や保護者の方のご希望、ライフスタイルを最優先に考え、最適なケア方法を一緒に決めていきますので、安心してお連れください。

  • 再発を防ぐにはどうすればよいですか?

    一度しっかりとした免疫がつくと、みずいぼに再感染することは通常ほぼありません。治療中や免疫がつくまでの期間の拡大を防ぐ意味では、毎日の「保湿」を徹底して乾燥肌を改善し、ウイルスが入り込みにくい強い肌を作ることが最大の予防策となります。

  • プールには入っても大丈夫ですか?

    学校保健安全法において、みずいぼは「学校を休む必要のない疾患」とされています。プールの水自体を介してうつることはないため、原則としてプールに入っても問題ありません。ただし、ビート板の共用や肌が直接触れ合うことで周囲にうつる可能性があるため、いぼが露出しないよう水着を工夫し、タオルは必ず個人のものを使用するようにお子さまにもお伝えください。

監修医師

院長中山 由美

診療科目

皮膚科・美容皮膚科

資格 ・所属学会

  • 医学博士
  • 日本皮膚科学会認定皮膚科専門医
  • 臨床研修指導医
  • アラガンジュビダームビスタ施注資格医
  • アラガンボトックスビスタ施注資格医
  • 日本皮膚科学会 正会員
  • 日本臨床皮膚科学会 正会員
  • 日本美容皮膚科学会 正会員
  • 日本皮膚免疫アレルギー学会 正会員
  • 日本医師会 正会員
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