岡山市北区の皮膚科・美容皮膚科クリニック ゆみ皮膚科

多汗症

多汗症とは?

about

多汗症(たかんしょう)とは、体温調節に必要な範囲を超えて、日常生活に支障をきたすほど過剰に汗をかいてしまう疾患です。

暑い場所や運動時だけでなく、少しの緊張や、特に何もしていない時でも大量の汗が出るのが特徴です。全身に汗をかく「全身性多汗症」と、手のひら、足の裏、わきの下、顔や頭など特定の部位にだけ局所的に大量の汗をかく「原発性局所多汗症」に分けられます。多くの場合、思春期や子どもの頃に発症し、慢性的に経過します。

多汗症そのものは命に関わる病気ではありませんが、滴り落ちる汗で書類やノートが濡れて破れてしまったり、洋服の汗染みが気になって人と接するのが怖くなったりと、患者さまの心に大きな負担をもたらします。さらに、過剰な汗をそのままにしておくと皮膚のバリア機能がふやけて弱くなり、あせもや強いかゆみ、赤みを伴う湿疹、カビの感染(水虫など)を引き起こしやすくなるため、適切なケアと治療が必要です。

こんな方におすすめ

recommend

  • 手のひらの汗で、テスト用紙やノートが濡れて破れてしまう
  • わき汗が多く、洋服の汗染みやにおいが気になって着る服が制限される
  • 足の裏の汗がひどく、靴下がすぐに濡れたり、すべって転びそうになったりする
  • 人と手をつないだり、握手をしたりすることに強い抵抗がある
  • 市販の制汗剤を使っても効果がなく、かえって肌が荒れてしまった
  • 子どもが汗のことで学校生活に悩んでいる・からかわれないか心配している
  • 汗で蒸れた皮膚に赤みやかゆみが出て、じゅくじゅくしている
  • 汗のせいで肌が荒れやすく、慢性的な湿疹を繰り返している

治療に対する思い

philosophy

多汗症でお悩みの方へ

「汗っかきなのは体質だから仕方ない」「気の持ちようだと言われて誰にも相談できない」と、多汗症の悩みを一人で抱え込んでいる方は決して少なくありません。特に、学童期や思春期の子どもたちにとって、汗によるコンプレックスは学校生活や対人関係に深く影響を及ぼし、大きなストレスとなってしまいます。

ゆみ皮膚科では、汗による身体的・精神的なお悩みにしっかりと耳を傾け、患者さまのライフスタイルやご希望に合わせた治療をご提案いたします。近年、多汗症の治療は進歩しており、保険適用で使えるお薬も登場しています。単に薬を処方して終わりにするのではなく、正しい薬の塗り方や、汗による肌荒れを防ぐためのスキンケア、日々の生活での工夫まで丁寧にご説明いたします。

多汗症の治療は、魔法のように「汗を完全にゼロにする」ことを目指すものではありません。私たちが目標としているのは、「汗の量を減らして皮膚を健康な状態にコントロールし、仕事や勉強、趣味などの日常生活を気兼ねなく、快適に過ごせる状態にすること」です。どうぞ一人で悩まず、安心感のある当院へお気軽にご相談ください。

院長 中山 由美

多汗症の原因

cause

交感神経の過剰な働き(発汗指令の異常)

汗の分泌は、自律神経のひとつである「交感神経」によってコントロールされています。多汗症(原発性局所多汗症)の多くは、気温の上昇や運動とは関係なく、この交感神経が過敏に反応し、汗腺(エクリン汗腺)に対して「汗を過剰に出しなさい」という指令を過剰に送り続けてしまうことが直接的な原因と考えられています。

体質・年齢・遺伝的要因

 

原発性多汗症は、特に目立った基礎疾患がないにもかかわらず発症するもので、思春期から青年期、あるいは子どもの頃から症状が現れ始めることが多いです。明確な原因は完全に解明されていませんが、遺伝的な体質(家族に多汗症の人がいる)が関与しているケースも少なくありません。

精神的ストレスや外部環境による悪化

「また汗をかいたらどうしよう」「人に見られたら恥ずかしい」といった不安や緊張(精神性発汗)が強い心理的ストレスとなり、さらに交感神経を刺激して汗を増やしてしまうという悪循環に陥りやすくなります。また、夏場の高温多湿な環境や、辛い食べ物などの刺激も、汗の量を一時的に増加させる要因となります。

 

多汗症の主な治療方法

treatment method

多汗症の治療は、汗の分泌を抑えるアプローチと、汗によって引き起こされた肌トラブル(皮膚炎など)を治すアプローチを並行して行います。

多汗症に対する外用薬(塗り薬)

近年、わきの下や手のひらの多汗症に対して、保険適用で使用できる外用薬(抗コリン外用薬など)が登場しています。これらは、汗の腺(エクリン汗腺)に働きかけ、発汗を促す神経からの指令をブロックすることで汗の量を減らします。また、自費診療となる外用薬を使用することもあります。

内服薬(飲み薬)

Blister packs with evenly spaced round white pills scattered across a metallic surface.

全身の汗が気になる場合や、外用薬だけではコントロールが難しい場合に、汗の分泌を抑える内服薬(抗コリン薬)や漢方薬を処方することがあります。

肌トラブルに対する治療

汗によってかゆみや赤み、湿疹などの皮膚炎が生じている場合は、ステロイド外用薬などで炎症を速やかに鎮めます。さらに、ダメージを受けた皮膚のバリア機能を回復させるため、適切な保湿ケアの指導も行います。

※症状が強い場合は、ボトックス注射(自費診療)をご案内することも可能です。

日常生活で気をつけたいスキンケアと汗対策

skin care

多汗症の方は、皮膚が常に湿った状態になりやすいため、汗そのものへの対策と、お肌を守るための工夫が大切です。

汗は「こすらず、優しく押さえる」

汗を拭くときにタオルでゴシゴシこすってしまうと、皮膚の表面に細かな傷がつき、そこから刺激が入ってかゆみや湿疹の原因になります。吸水性の高い柔らかいタオルやハンカチで、ポンポンと優しく押さえるように拭き取ってください。

 

通気性の良い衣類を選ぶ

綿や麻、あるいは吸汗速乾性に優れた機能性インナーを着用し、汗をかいたらこまめに着替えることで、皮膚が蒸れてじゅくじゅくするのを防ぐことができます。

 

バリア機能を守るための「保湿」

「汗で潤っているから乾燥しない」というのは誤解です。汗が蒸発する際に肌の水分も奪われ、実は乾燥しやすくなっています。入浴後などは、皮膚のバリア機能を整えるために、さっぱりとしたローションタイプなどの保湿剤でしっかりスキンケアを行いましょう。

注意事項

汗を拭く際に患部を強くこすったり、かき壊したりしない

  • 摩擦によって皮膚のバリア機能が低下し、かゆみや痛みを伴う皮膚炎に進行してしまいます。

爪は短く丸く整え、傷や感染を防ぐ

  • 汗であせもや湿疹ができ、無意識にかいてしまった際にも、肌へのダメージを最小限に抑えることができます。

入浴時は熱いお湯を避け、ぬるめのお湯でやさしく洗う

  • 熱いお湯は交感神経を刺激して発汗を促すほか、肌の乾燥を招きます。ぬるめのお湯にゆっくり浸かってリラックスしましょう。

体を洗うときは強くこすらず、石けんやボディソープはよく泡立てて使用する

  • ナイロンタオル等での摩擦は避け、たっぷりの泡で手のひらを使って優しく洗い、汗や汚れを落としてください。

入浴後は皮膚が乾燥しやすいため、必要に応じて保湿を行う

  • 清潔にした後は、適切な保湿剤で肌を保護し、汗の刺激に負けない健やかな皮膚を保ちましょう。

処方された薬は、医師の指示に従って適切な量・回数で使用する

  • 多汗症の外用薬は、毎日継続して塗ることで効果を発揮しやすくなります。自己判断で中止したり、塗る量を極端に減らしたりしないでください。

市販の制汗剤を長期間使用しても改善しない場合は、皮膚科へ相談する

  • 市販品で肌がかぶれてしまったり、効果が不十分だったりする場合は、医療機関で適切な治療を受けることをおすすめします。

赤み、腫れ、痛み、じゅくじゅく、発熱などがある場合は早めに受診する

  • 細菌や真菌(カビ)の二次感染を起こしている可能性があるため、早急な治療が必要です。

過度な緊張やストレスなど、症状が悪化しやすい要因があればできる範囲で避ける

  • リラックスできる時間を作り、自律神経のバランスを整えることも大切です。

よくある質問

faq

  • 多汗症は自然に治りますか?

    年齢とともに症状が少し和らぐケースもありますが、原発性局所多汗症(手、足、わき等の多汗症)は慢性的に続くことが多く、自然に完全に治ることは難しい疾患です。我慢して日常生活に支障をきたすよりも、皮膚科へご相談いただき、お薬で症状をコントロールすることをおすすめします。

  • 市販薬(制汗剤)を使っても大丈夫ですか?

    軽度の汗であれば市販の制汗剤で対応できる場合もあります。しかし、多汗症の方にとっては効果が不十分なことが多く、成分が肌に合わずに赤みや湿疹(かぶれ)を引き起こす原因になることもあります。市販品で改善しない場合や肌トラブルが起きた場合は、無理に使用を続けず受診してください。

  • 薬はどのくらい使えばよいですか?

    多汗症の外用薬は、症状を根本から消し去るものではなく、使用している間、汗の分泌を抑えるお薬です。そのため、基本的には長期間にわたって継続して使用する必要があります。症状の落ち着き具合を見ながら、医師の指示のもとで無理なく付き合っていくことが大切です。

  • 子どもも診てもらえますか?

    はい、もちろん診察しております。手汗でノートが濡れてしまうなど、子どもの多汗症は学校生活に大きな影響を与えます。近年は小学生(年齢制限があるお薬もあります)から保険適用で使用できるお薬も増えていますので、お子さまの心と身体の負担を減らすためにも、ぜひお早めにご相談ください。

  • 再発(症状の悪化)を防ぐにはどうすればよいですか?

    多汗症の症状悪化を防ぐには、処方されたお薬を根気よく継続することが第一です。また、過度なストレスや緊張を和らげる環境づくり、こまめで優しい汗の拭き取り、バリア機能を保つための保湿ケアなど、生活習慣の改善を並行して行うことが大切です。

  • どのくらい通院が必要ですか?

    治療の開始直後は、お薬の効果がしっかり出ているか、肌にかぶれなどの副作用が出ていないかを確認するため、2〜4週間ごとの通院をお願いすることが多いです。症状が安定してお肌の状態も良くなれば、通院間隔を少しずつ延ばしていくことができます。

監修医師

院長中山 由美

診療科目

皮膚科・美容皮膚科

資格 ・所属学会

  • 医学博士
  • 日本皮膚科学会認定皮膚科専門医
  • 臨床研修指導医
  • アラガンジュビダームビスタ施注資格医
  • アラガンボトックスビスタ施注資格医
  • 日本皮膚科学会 正会員
  • 日本臨床皮膚科学会 正会員
  • 日本美容皮膚科学会 正会員
  • 日本皮膚免疫アレルギー学会 正会員
  • 日本医師会 正会員
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