岡山市北区の皮膚科・美容皮膚科クリニック ゆみ皮膚科

円形脱毛症

(えんけいだつもうしょう)

円形脱毛症とは?

about

円形脱毛症(えんけいだつもうしょう)とは、自覚症状がないまま突然に髪の毛の一部分が円形や楕円形に抜け落ちてしまう皮膚疾患です。

多くは頭部に発生しますが、進行すると複数の脱毛斑が結合して広がったり、眉毛やまつ毛、体毛などに症状が現れたりすることもあります。
一般的には「10円玉ハゲ」などと呼ばれ、単発で終わる軽いものから、頭部全体や全身に広がるものまで経過には大きな個人差があります。

円形脱毛症は年齢や性別を問わず、小さなお子さまから大人まで誰にでも発症する可能性のある身近な病気です。周囲の人に感染する心配はありませんが、一時的に良くなったように見えても再発しやすい特徴を持っています。
抜け毛だけでなく、脱毛斑の周囲に軽度のかゆみや赤み、ごく軽い湿疹のような症状を伴う場合もあります。

健康な状態でも1日にだいたい100本が抜け、100本が再生して、ほぼ一定の毛の数が保たれています。年齢とともに細い毛に置き換わり、全体として髪が薄くなります。

・毛は、成長期(毛が成長する機関)→退行期(成長が衰え毛がぬけやすい期間)→休止期(成長が完全に休止、毛が抜け落ちる期間)を繰り返しています。頭髪の毛周期は3~6年です。まつ毛の毛周期は約4カ月です。頭は約90%が成長期で、10%弱が休止期の毛です。
・円形脱毛症は、コインのように円く脱毛します。多発したり、頭だけでなく眉毛、まつ毛、体毛が抜けたり、頭の生え際が帯状に抜けたりすることもあります。
・どの毛穴も休止期のようになっているのですが、原因は成長期の毛包がリンパ球の攻撃を受けて壊されてしまうからです。どうして、自分のリンパ球が自分の毛包を攻撃してしまうのか、理由は完全には分かっていませんが、毛包を標的にした自己免疫病だと考えられています。リンパ球の攻撃が抑えられれば元通りの毛が生えてきます。
・爪には小さな凹み、横の溝などの変化が1/4の方にみられます。
・免疫の異常が主な原因と推測されています。遺伝的素因やストレスも影響すると考えられています。
 膠原病など全身の病気、ダイエット、薬の副作用、感染症、湿疹や腫瘍でも脱毛します。
 原因となる病気の治療をし、多くはその病気が良くなれば毛も回復します。

こんな方におすすめ

recommend

  • 頭を触ったときに突然、境界のはっきりした円形の脱毛斑(毛が抜けた部分)を見つけた
  • 朝起きたときの枕元や、シャンプー時の抜け毛の量が急に増えた
  • 脱毛斑の周囲の毛を優しく引っ張ると、痛みなく簡単に抜けてしまう
  • 脱毛している部分のまわりに、かすかなかゆみや赤みがある
  • 1箇所だけだった脱毛斑が、徐々に複数に増えたり広がったりしている
  • 育毛剤や市販の頭皮ケア製品を使っても症状が改善しない
  • 子どもに脱毛斑が見つかり、なかなか毛が生えてこない、長引いている
  • 髪が抜けることが大きなストレスになり、日常生活や睡眠に支障が出ている

治療に対する思い

philosophy

円形脱毛症(えんけいだつもうしょう)でお悩みの方へ

髪の毛や体毛が突然抜けてしまうことは、ご本人にとって非常にショックが大きく、鏡を見るたびに深い不安や大きなストレスを感じられることと思います。
ゆみ皮膚科では、そのような患者さまのデリケートなお悩みに誠実に寄り添い、お一人ひとりの症状の段階や生活背景に合わせて、無理なく続けられる治療プランをご提案いたします。

円形脱毛症は、必ずしも「強いストレスだけが原因」というわけではなく、体内の免疫の仕組みが関係していることが分かっています。
当院では、単に外用薬を処方するだけでなく、お薬の正しい使い方や、日々のシャンプー・ブラッシングといった正しい頭皮のスキンケア、生活上の注意点まで分かりやすく丁寧にご説明いたします。

また、円形脱毛症は子どもの受診も少なくない疾患です。保護者の方も「いじめにつながらないか」「このままずっと生えないのか」と心を痛められるケースが多いため、ご家族の皆さまにも安心していただけるよう、病態を優しく解説いたします。
症状の進行をコントロールし、健やかな髪が育つ土台をゆっくりと整えていけるよう、誠意を持ってサポートしてまいります。どうぞ一人で悩まずに、お早めにご相談ください。

院長 中山 由美

円形脱毛症(えんけいだつもうしょう)の原因

cause

自己免疫反応(免疫システムの誤作動)

Infographic showing how autoimmune reaction damages hair follicles, leading to circular bald patches (alopecia) with labeled steps and a portrait of a person with a bald spot at the top of the head.

円形脱毛症の最も中心的な原因は「自己免疫疾患」であると考えられています。本来、ウイルスや細菌などの外敵から体を守るはずの免疫システム(リンパ球)が何らかの理由で誤作動を起こし、成長期にあるご自身の健康な毛包(毛根の組織)を「異物」とみなして攻撃してしまうことで、髪の毛が急に抜け落ちてしまいます。

体質や遺伝的要因(アトピー素因)

患者さまご自身の体質も深く関係しています。特にアトピー性皮膚炎や気管支喘息などの「アトピー素因」を持っている方は、円形脱毛症を合併しやすい傾向があります。また、特定の遺伝的な背景や、他の自己免疫疾患(甲状腺疾患など)の既往があることなどが、体質的な内的要因として症状に関わることがあります。

精神的ストレスや生活環境の変化

Person sitting on a bed, hand pressed to their chest as if in discomfort or pain in a bright, cozy room.

精神的なストレスや過労、睡眠不足、大きな環境の変化(進学・就職・引っ越しなど)は、自律神経や内分泌系を乱す大きな外的要因となります。ストレスそのものが直接毛を抜くわけではありませんが、自律神経が乱れることで自己免疫反応の引き金(トリガー)となり、円形脱毛症を発症させたり悪化させたりすることがあります。

円形脱毛症(えんけいだつもうしょう)の主な治療方法

treatment method

円形脱毛症の治療では、毛包(毛の根元)を攻撃している過剰な免疫反応を鎮め、髪の毛の再生を促すことを目指します。症状の範囲や発症からの期間に応じて、保険診療を中心とした治療を行います。

外用療法(塗り薬)

Close-up of white toothpaste being squeezed onto a fingertip from a tube.

毛根周辺の炎症を抑えるために、適切な強さのステロイド外用薬を使用します。また、頭皮の血行を促進して毛髪の成長を促すための血管拡張薬(塩化カルプロニウムなど)を併用することもあります。

内服療法(飲み薬)

Blister packs with evenly spaced round white pills scattered across a metallic surface.

症状が急速に進行している時期や、脱毛範囲が広い場合には、抗アレルギー薬や、免疫の働きを整える内服薬を医師の判断のもとで処方することがあります。

日常生活で気をつけたいポイント

point

治療を進めると同時に、頭皮への外部刺激をできるだけ減らし、髪が育ちやすい環境を整えることが大切です。

頭皮を清潔に保ち、優しく洗う

髪が抜けるのを恐れてシャンプーを控える必要はありません。ただし、爪を立ててゴシゴシ洗うと頭皮が傷つき、湿疹などの肌荒れの原因になります。洗顔料のように石けんやシャンプーをよく泡立て、指の腹で優しく揉むように洗いましょう。

紫外線から頭皮を保護する

脱毛している部分は髪の毛による遮蔽がないため、直射日光(紫外線)のダメージを受けやすくなります。外出時は通気性の良い帽子をかぶる、日傘を使用するなどして、デリケートな頭皮への刺激を避けましょう。

頭皮の乾燥を防ぐ保湿とマッサージ

頭皮が乾燥するとバリア機能が低下し、炎症が起きやすくなります。入浴後は必要に応じて頭皮用の保湿ローションなどを使用し、血行を良くするために優しくマッサージを行うのもおすすめです。ただし、お薬が処方されている場合は医師の指示を優先してください。

注意事項

脱毛部分をこすったり、無理に引っ張ったりしない

  • 脱毛している部分やそのまわりを気にして強くこすったり、無理に引っ張ったり、かき壊したりしないでください。頭皮が傷つき、別の細菌感染や二次的なトラブルの原因になります。

爪を短く整え、頭皮を傷つけない

  • 爪は常に短く滑らかに整え、無意識のうちに頭皮を傷つけないように気をつけましょう。特にお子さまの場合は保護者の方が確認してあげてください。

シャンプー時はぬるめのお湯を使う

  • 入浴時やシャンプー時は、熱すぎるお湯は頭皮を乾燥させ、かゆみや赤みを強めるため、ぬるめのお湯を使用してください。

頭皮は指の腹でやさしく洗う

  • 髪を洗うときは、目の粗いブラシなどで頭皮を強くこすらず、シャンプーをしっかり泡立てて、手のひらと指の腹で優しく洗うように心がけてください。

入浴後は頭皮を保湿し、外用薬を塗る

  • 入浴後は頭皮が乾燥しやすいため、タオルで優しく水分を拭き取った後、必要に応じて頭皮の保湿を行い、医師から指示された外用薬を適切な量・回数で優しく塗布してください。

処方薬は自己判断で中止しない

  • 処方されたお薬は医師の指示に従って使用し、少し毛が生えてきたからといって自己判断で途中で中止しないでください。免疫の不安定な状態が続いていると、再び抜け毛が始まってしまうことがあります。

市販の育毛剤で改善しない場合は皮膚科へ相談する

  • 市販の育毛剤や発毛専門のサロンケアなどを長期間使用しても改善しない場合は、原因に合っていない可能性があるため、一度使用を中止して皮膚科へご相談ください。

強い赤み・腫れ・ただれがある場合は早めに受診する

  • 脱毛している部分の頭皮に、強い赤みや腫れ、じゅくじゅくとしたただれ、激しいかゆみ、発熱などが現れた場合は、お薬によるかぶれや別の皮膚感染症の可能性があるため、早めに受診してください。

摩擦や紫外線など頭皮への刺激を避ける

  • 汗、強い摩擦(ヘルメットや帽子の長時間のきつい着用)、紫外線、刺激の強いヘアカラー剤など、頭皮の負担になりやすい要因はできる範囲で避けるようにしてください。

よくある質問

faq

  • 円形脱毛症は自然に治りますか?

    脱毛斑が1箇所だけで範囲が狭い「単発型」の場合、特別な治療をしなくても数ヶ月から1年ほどで自然に毛が生えてきて軽快することがあります。しかし、脱毛斑が複数に増えたり(多発型)、範囲が広がったり、何度も再発を繰り返したりする場合は自然治癒が難しく、治療が必要となるケースが多いです。長引く場合や不安なときは、お早めに皮膚科へご相談ください。

  • 市販薬を使っても大丈夫ですか?

    市販されている頭皮用のローションや血行促進を目的とした育毛剤は、一部の軽い毛髪ケアには役立ちますが、円形脱毛症の根本原因である「自己免疫の異常(毛根への攻撃)」を直接抑える効果は期待できません。原因に合わない強い成分で頭皮がかぶれてしまうと、かえって抜け毛を悪化させることもあるため、まずは医療機関で正しい診断を受けることをお勧めします。

  • 薬はどのくらい使えばよいですか?

    髪の毛の成長サイクル(ヘアサイクル)の関係上、効果を実感できるようになるまでには時間がかかります。治療を開始して炎症が治まってから、新しい産毛(うぶげ)が生えてきて、それがしっかりとした太い髪に育つまでには、最低でも3ヶ月〜半年以上の期間が必要です。焦らずに、医師の指示を守って根気強く外用や内服を継続することが大切です。

  • 子どもも診てもらえますか?

    はい、当院ではお子さまの円形脱毛症の診療にも対応しております。子どもの脱毛は、保護者の方にとっても非常に心配な症状かと思います。小さなお子さまでも受けられる、痛みのない優しい治療(外用療法など)を中心に、肌の状態や年齢に合わせてご提案いたします。学校生活での悩みなども考慮しながら丁寧にお話を伺いますので、安心してお連れください。

  • 再発を防ぐにはどうすればよいですか?

    円形脱毛症は再発しやすい性質がありますが、日頃から「規則正しい生活習慣(十分な睡眠とバランスの良い食事)」を意識し、免疫や自律神経のバランスを整えておくことが予防につながります。また、頭皮に負担をかけない優しいスキンケア(正しいシャンプーと保湿)を継続し、ストレスを溜め込みすぎないリラックスできる環境をつくることも大切です。

  • どのくらい通院が必要ですか?

    症状の進行度や治療内容によって異なりますが、抜け毛が進行している初期の段階や、お薬の調整が必要な時期は、皮膚や毛根の状態を確認するために2〜4週間に1回程度の頻度で通院していただくことが多いです。症状が落ち着き、新しい毛が順調に生え揃ってくれば、徐々に通院間隔を空けて様子を見ていくことが可能です。

監修医師

院長中山 由美

診療科目

皮膚科・美容皮膚科

資格 ・所属学会

  • 医学博士
  • 日本皮膚科学会認定皮膚科専門医
  • 臨床研修指導医
  • アラガンジュビダームビスタ施注資格医
  • アラガンボトックスビスタ施注資格医
  • 日本皮膚科学会 正会員
  • 日本臨床皮膚科学会 正会員
  • 日本美容皮膚科学会 正会員
  • 日本皮膚免疫アレルギー学会 正会員
  • 日本医師会 正会員
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